厩務員・騎手 - 馬の学校アニベジ
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厩務員・騎手

アニベジ同期で仲の良い2人が同じ職場に!

出身地は違うが、アニマル・ベジテイション・カレッジで出会い仲良くなった、丸山(まるやま)くんと、室(むろ)くん。この春、丸山くんはきゅうむ員として、室くんは騎手として、浦和競馬場に同期で入職しました。「競走馬」の世界で勝利という夢に向かい、切磋琢磨している二人に、仕事のやりがいや将来の夢を伺いました。

(左)丸山 桜人さん
浦和競馬場宇野木博徳厩舎所属きゅう務員。大阪府出身。2020年にアニベジを卒業後、牧場で一年間競走馬の育成経験を積む。同期の室さんの紹介で、浦和競馬場野田トレーニングセンターのきゅう務員に。

(右)室 陽一朗さん
広島県出身。2020年にアニベジ卒業後、競馬学校に入学。今年騎手試験に合格し、浦和競馬場所属騎手として5月にデビュー後、7勝をあげている。(2022年7月1日現在)

室を全力で応援しようと決めました

―――――アニベジ時代から仲が良かったというお二人ですが、当時のお互いの印象はどうでしたか?

丸山さん:(室は)誰よりも努力家だなと思っていました。

室さん:(丸山は)僕をいつも元気にしてくれる存在でした。そして、尊敬できるところがたくさんあります。じゃないと仲よくならんよな。

丸山さん:そうだな。(笑)

―――――きゅう務員、そして騎手は、どんなお仕事ですか?

丸山さん:きゅう務員は、馬の餌やりや手入れ、馬房掃除といった馬の世話全般をしつつ、馬の体調管理や飼養管理、馬の調教の際の準備運動などを毎日しています。競走馬を管理することでベストな状態を保ち、レースに出場させるのがきゅう務員の仕事です。毎日馬を触って世話をしていると、ボロ(馬糞)の硬さだったり、汗のかき具合や息遣いなんかで、異常があるとわかるんですよね。違いを感じて、対処の仕方が分からななかったら、すぐ調教師に相談します。

室さん:ジョッキーは、朝2時から9時半まで馬を調教し、そのあと仮眠をとって、レース開催日はレースに出場します。ちなみに今日も午後レースなんです(笑)。 基本的に日曜日は休みですが、月曜日に出走する馬には乗ったりします。

―――――きゅう務員、騎手を目指したきっかけは何でしたか?

丸山さん:最初はジョッキーを目指していたんです。アニベジに入学して、室と毎日ランニングしたりしてたんですが、身長が伸びて体重制限がきつくなったので、室を全力で応援しようと決めました。騎手のほかにできる仕事は何かなと考えて、きゅう務員になろうと思ったんです。

室さん:母の勧めで小学6年生のときに乗馬を始めて、父に連れて行ってもらった阪神競馬場で「騎手ってかっこいいな」と思って目指しました。乗馬をやっていたのでインストラクターとかほかの進路も考えましたが、やっぱり騎手になりたいという気持ちが強かったです。

毎日が勉強ですが、とにかく楽しい

―――――きゅう務員、騎手という仕事に就いた感想と、どんなときにやりがいを感じるかを教えてください。

室さん:馬は人間の思い通りにはならないのですが、この馬はどうやったら言うことをきいてくれるのかなって、性格を見極めて信頼してもらえるように努力しています。まだデビューしたばかりなんですが、勝ったときはうれしいし、負けたときももっとうまくなりたいって思います。毎日が勉強ですが、とにかく楽しいです。

丸山さん:良いこと言うなぁ(笑)。僕は、自分が育てた馬が一着になったりしたら、うれしいですね。それが一番のやりがいでもあります。馬は担当するきゅう務員によって性格も変わるんですよ。僕の担当する馬は基本おとなしいですけど、めちゃくちゃ甘やかしちゃうのでちょっとわがままかもしれません。でも、力で言うことを聞かせることはしないという信念を持って世話をしています。

室さん:一番うれしいと感じる瞬間は、やはり一着をとったときですね。馬の世話をする人たちとチームみたいな形で戦っていて、そういう人たちの想いや期待を背負ってレースに出ているので、そこで勝てると本当にうれしいし、達成感を感じます。きゅう務員さんとか、毎日馬の世話をしてくれている人たちが苦労をしていることを知っているので、なおさらですね。

―――――仕事で辛いなと思うことはありますか?

丸山さん:無いですね。馬が好きなら絶対にできる仕事ですし。強いて言えば朝が早いことが辛いですかね。朝早いのは慣れないですけど、何時に起きても眠いのは一緒なので。

室さん:辛いと思うことは無いですけど、レースの結果が出ないことが続くといろいろ悩んだりはします。でも、丸山のように、騎手を目指していたのになれなかった人もたくさん知っているで、こういう環境にいられることは幸せなことだと思って、感謝を忘れずにやっていきたいなと思っています。

アニベジは進路がたくさん見つかる

―――――アニベジを選んだ理由を教えてください。

丸山さん:いくつか見学した馬の専門学校のなかでも、アニベジは寮がひとり部屋できれいで、生活環境が良いなと思いました。学校見学のときに馬に乗ったんですが、教えてくれた先生も優しくて、ここならいろいろ学べるかなと思って入学を決めました。

室さん:日常生活では、周囲に遊ぶところが結構あって楽しかったですし、技術や作業では、いい先生と出会うことができました。いろいろな先生が、いろいろな教え方をしてくれて、その全てを吸収しようと思って相当がんばりました。馬の技術も作業も、基礎はアニベジで教わったと思っていますし、それは騎手になった今でも役に立っています。

―――――仕事としての目標と、将来の夢を教えてください。

丸山さん:世話をしているどの馬も一着だけを目指しているので、勝率を上げることが目標ですね。夢は、預かった馬の全責任を負う調教師になることです。

室さん:これからもっともっと勝てる騎手になれるように、技術を上げていきます。それと同時に、謙虚な気持ちを常に忘れず、技術だけではなく、生活面でもがんばっていきたいと思います。地方競馬場の南関東公営競馬で有名な騎手になって、勝利数が一番多いリーディングジョッキーになれるようにがんばります。

―――――アニベジの後輩たちへメッセージをお願いします。

丸山さん:ジョッキーやきゅう務員のほかに、牧場スタッフやインストラクター、装蹄師、競馬で怪我をした馬のリハビリなど、馬に携わる仕事はたくさんあります。アニベジに入学すると進路がたくさん見つかると思うので、やりたいことを探すならやはりアニベジかなと思いますね。

室さん:アニベジの卒業生はみんな馬に携わる仕事をしているので、職場で偶然会うこともありますよ。馬との出会いはもちろんですが、アニベジには人との出会いもたくさんあります。いろいろな世界を見て視野が広がるし、さまざまなことを学んで知ることができます。大変だと思うことも多いけれど、馬が好きだという気持ちがあれば、きっと楽しく過ごせるはずです。もちろん、楽しいこともたくさんあるし、良いことばかりでしたよ。

丸山さん室さん:馬には夢があります。競馬は、携わるひとたち全員が一着を目指している世界です。一頭一頭の個性が魅力的な馬を見に、ぜひ競馬場に足を運んでみてください。

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